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トラになってもなお心残り #山月記

李陵・山月記 (新潮文庫)
多くの人は山月記って読んでるもんなんですか?ぼくは今日初めて読みました。中身は別の漫画で知ったんですけど、文章では読んでなかったです。

タイトルは知ってるくらいなんで、その辺の本好きの人には今更なんですかね。一応中身をざっくり言うと、かつてエリート官僚だった人が人との関係を絶って、詩で後世に名を残そうと隠遁するわけです。でもそれじゃ生活できなくなってまたかつての役所で働くものの同期が出世したりなんなりでもうやんなっちゃうんですね。そこで出張ついでに逃げちゃいます。そしていつしかトラになったところをかつての同僚に発見され、それでもなお詩だけは残したいとその同僚に伝えると、まあそんな話です。

で、ですね

本書で一番なるほどなと思ったのが「己を飼い慣らせなかったが故のトラの姿」ってところです。ちょっと詳しい文章が思い出せないんですけど、人が人であるために磨くべきものを磨かず、押さえるべき性というものを膨れ上がらせた結果こうなってしまったと。

これはね、耳が痛いですよ。

それと同時に、FF10のシンの件と若干フレームがかぶるなあなんて思ってました。あれも初めは人の罪だーとか言ってましたもんね。しかも、最後の方でこのトラになった人も人であるという意識が薄れてくんですよ。ジェクトももう時間がねえって言ってましたよね。

まあ山月記も元は中国のなんとかってのを原作にしてるらしいですが、焼き直ししてもなお人の心に刺さるってのはある種変わらざる心理的なものが働いてるんでしょうかね。いうて高々何千年の文明で原理原則などとはなかなか言えませんけど
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