Header Ads

誰のためのデザインか

未来のつくりかた アウディで学んだこと
和田 智
小学館
売り上げランキング: 50,007
想像はある時傲慢になり
挑戦はある時欲望に変わり
謙虚さを忘れた姿勢からは何も生み出されない
よくわかりませんけど、いい言葉っぽいですね

さて、カーデザインとは非常に興味深いもので、サイエンスな面アートな面そしてルールの面から影響を受けて変化します。デザイン業界の、というか日本と外国の仕事の違いはどのデザイナーの本を見ても似たようなことが書いてあるので省きますが、そここそがクールジャパンに欠けるセンスだと感じます。

本書のメインであるアウディA5はなかなか良い車です。2016年現在で(顔は)三代目が予定されています。フェイスリフトはその度に垢抜けるので良いことです。しかし、本来あるべくラインを曲げるという意味では潔さに欠けるとも思っています。まあ好みもあるのでそれが楽しみなところも否定できません。

日本も一部ではましになりつつあるデザインですが、結局誰かの期待に応える形で市販に上がってくるのが現状です。ヨーロッパのように「こんなデザインどやっ!」と、自信を持って発表されないところが残念です。これはカーデザインに限ったことではありません。さっきも上記しましたが。



たまにテレビ見てても思うんですが、このテレビに出てるようなアウトローな人ですらサラリーマン仕事をしているような時代になりました。皆まで言わずとも、視聴者数の減少を考えれば明らかです。人々は一番エッジが立ってるのを見たいわけです。

もちろんその人々にもいろいろあって、本当に最先端を見てる人、それを追っかける人、またそれを追っかける人とカスケードする形で分布します。車でいえば、例えばドイツは開発期間が日本より長いそうです。つまり、着想から関わった人、インサイダー、それからプレス、末端と、スライドする形で目に触れます。1年ずつずれても末端の人は3年下って見ることになります。遠くの星の光と同じです

星の光が劣化するのかはわかりませんが、デザインにとってそのタイムラグは下手をすれば劣化につながるわけです。それでもなお日本よりドイツの方がクールなデザインであるのはざっくり言えばいい仕事をしてるからでしょうね。

経済といえばgdpやなんかで語られますが、ドイツの生産性はとても高いと評判です。年間休日も日本より多く一人当たりgdpも日本のそれを上回ると言います。かつて優秀だったブルーカラーも一線を去り、かつていなかった無能なホワイトカラーが量産された結果20年を失うことになりました。そしてこれからはそれを維持しつつ人口減によるリセッションとなります。

毎回書評のつもりで書き始めるんですけど、ほとんど派生した見解をだらだら書いちゃっていけませんね。
Powered by Blogger.