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物足りないのは物語なのかそれとも

まとまりも良く、建築に詳しくなければ特に突っ込むところもなく、スイスイ読めた。ただ、あまりにあっさりしていて、満腹感はない。例えるなら、ディナーのメインに塩キャベツを食うくらい。

とまあそこまでは言いすぎであるが、たぶんおそらく、その原因はキャラに特徴がなかったからかもしれない。俺はてっきり主人公はこの音無さんかと思っていた。しかし、視点はなんとかっていう男で進んでいく(読んだばかりなのに名前を忘れた)。

取り巻きの登場人物は魅力的であるものの、特に見せ場がなかったのが残念だった。確かに、主人公の気持ちと近い人が多いという意味では感情移入がしやすいような気がしなくもない。視点になる人物があまりにハイスペックだと読み手としては神視点に近くなるからね。

ただ、そうなると主人公が主人公でいる意味というか、らしさが欠けてどうにも。まあ俺の小説のベースって罪と罰やアンナカレーニナ、赤と黒とかそんなだから、日常の延長に対するストーリーの非日常さが小さく見えちゃうんだろうね。主人公がいる時代と離れてるし

それこそハルキさんみたいな小説の主人公はわかりやすく癖がある分印象には残る。人間性というファンダメンタルが見えるというよりは、テクニカルで見せてる面が大きいから魅力的かと言われればそうでもなかったりするけど

でね

こう書くとじゃあ面白くなかったのかっていうとそれは違う。俺はまず最後まで読めてる時点でそこそこ面白さを感じている。つまんなければ読み始めでも手が止まる。感想はその上で加点があるかどうかに過ぎない。
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