聞く耳
どうも昔から人の話を聞くのが苦手だ。理解力が無いのかもしれないが、話が長いとまあ頭に入ってこない。何気ない会話でも、大切らしい話でも、説教されてようと、だいたい同じ。聞いてる間に核心がぼやけてくる。
「この人は何の話がしたいのだろう」
怒られてる時は特にひどい。ほぼほぼ別のことしか考えられない。クイズ形式で怒る人とか一番ダメ。問題聞いてないから答えられない。
「どう思ってる?どうする?」
さっぱりわからない。ただこういうことも経験で、同じような問題しか出ないから嘘でも何でも相手が求めてる答えは概ね決まってくる。
その辺の教師がみんなそうではないにせよ、だいたいが新卒で教師になって、たいした教養も無いまま人の人生に口出すような立場に置かれる。振り返ってみても、俺がまともに話を聞けた教師なんて片手で足りる。理科の先生、坊主兼務の英語の先生、担当の教授、確信を持てるのはそれくらい。他はどれも違いは無い。軸がみんな一緒。この時はこう、あの時はああ。プログラミングが出来ない俺でも作れそうなコードで動いてる。
変わった事を言うのが偉いなんて思ってない。ただ、その人じゃなきゃ出てこない言葉って言うのが確実にあって、例え同じこと言ってても脳への刺さりがまったく違う。言葉だけ覚えてきたなあこいつ、とか。本当に意味わかって言ってんのかなあとか。聴く方がいくら未熟でも明らかに差を感じる。
そうやって何年も何年も繰り返し教育と称して植え付けられた常識という名の偏見で、12年ないし16年学生やって、はい社会人です。キャリアを経てマネジメントする位になって出てくる言葉はどうだろう。そこそこの身分だと、自分のもってる言葉に自信やらプライドやらがあるから簡単に引き下がらないけど、本当に上なのはその言葉がいつも正しいか疑える人。
経験すればその言葉に説得力が出るかというとまだ半分。160km/h見たからって投げれないように、聴いたものをそのまましゃべってもその実からはほど遠い。同じフォームやトレーニングで満足してしまうか、160kのために自分はどうするか。まあ理屈こねようが結局は個体差だから好きにすればいいと、俺は思ってるけどね。