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オタクが増えると物は売れない

一般的にオタクと呼ばれる人は好きなものに対して金をかける。こだわりが強い所為もあって、選り好みする傾向が強い。

家電や車は、今でこそ大量消費の時代になった。デフレも後押しして機能もそこそこに選べるだけの数が存在する。そして多くの人は店頭でセールスの話を聞いて買う。一次情報を頭に入れて二次情報(店員の意見)との差を計るような買い方は少数だ。

趣味性の高い物が(それを趣味としない人から見て)なかなかいい値段でも売れるのは、見合った価値をそこに見ているからである。
「総アルミのボディなら1000万切るのは安いよね」
興味ない人からすればアルミのボディがどうしたといったところ。それよりも7,800万オーバーと言う額面に目がいってしまう。エコカーに300万、軽に150万は出せてもテクノロジーに見合った700万は高いわけである。

何買うにしてもまず値引きありきで考えれば技術云々は二の次になって当然。いくら映像エンジンが優れていようがサウンドデバイスに金かかってても、そういう技術者努力に目を向けて評価してくれるのはオタクだけ。その他大勢はまず値段なのだ。

日本製品の安心性ばかりが聞こえてくるが、その評価をしてる人のテクノロジーリテラシーは信用に足るのか。特に車はコストカットの嵐で、言ってみれば予算内の安全性しかない。ボディ剛性を落としたりエコタイヤをはいたり、ピラーを細くしたり安い素材を使ったり。とてもメンテナンスが疎かな日本に適しているとは思えない。電装系だけは確かに諸外国に比べれば安定しているが、偏に気候のせいが大きい。

また現代の軽はとても広くつくられている。しかし、未だに軽は小さいと思ってる人が大勢いる。
「この荷物軽に乗るかなあ?」
車種にもよるが、大半のフルサイズセダンより積載能力はあると思う。それこそ軽という先入観だけで物をしゃべっている。自分の車なのに何も知らない。これはどうなんだ。
「この荷物アヴェンタドールに乗ると思う?」
そりゃ、そう聞かれたら確かに返答に困る。というか、だいたいは無理。軽より遥かにでかいボディだけど無理。半分冗談だととれるしね、なんだったら。

営業がからんで売らないといけない物はオタクにはまず売れない。逆に言えば技術志向で本当にいい物は勝手に買われる、それこそ適正な値段で。だから数はオタクに比例する。自分自身も詳しくない物は山ほどある。山の値段とか牛の値段とか、そういう物は相場観が無い。今でも回線は実利よりも値段で決めてる節があるので、速くて高い物ではなく多少遅くても安い物を使っている。予算に限りがある場合は何処で妥協するかの問題なのだけど、じゃあ家電にも興味ない、車にも興味ない、趣味も無ければ食に金をかける訳でもなくなると何に使うようになるのか。それ以上に稼ぐ必要があるのかと言う話になる。

現状のものづくりは生活にパラダイムシフトを起こすような方には向いていない。従って先細りのトレンドが続いている。いくら円安云々で一時的な売り上げが出ても長期的には期待薄である。時代を跨がない物はものづくりとして価値なんて無いのだ。

想像力を、もっと想像力を
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