Header Ads

複雑というコンプレックス

複雑さと共に暮らす―デザインの挑戦
ドナルド・ノーマン
新曜社
売り上げランキング: 46811

シンプルがベストってどの口が言っているのだ

結論から言ってインテリの指すシンプルの意味と、アホの指すシンプルの意味は大根と蓮根くらい違う。

ベタに、アインシュタインはシンプルな記述を好むと言うけれど、本当にそうだろうか。少なくとも俺はシンプルだと思った事は無いし、一番信用ならないのは神というワードを出した事だ。そのおかげで二状態とか受け入れていない的な話も聞いたことがある。

複雑系を処理してない頃の話。

もっと身近な例で言うと、車のトランスミッション。今やほとんどの車がオートマである。もっというとCVTかトルコンタイプのだけど。しかし、そうはありながらトルコンと言っても何それみたいな人が大半だろうし、CVTだって興味なきゃ何の事だかわからない人が多いはず。

一方のマニュアルも一部車種にはブリッピングを自動化してくれるシンクロレブコントロールなんて物がついていたりして、そもそもシンクロ機能の無かったマニュアルとは大きく差がある。

つまり何がいいたいかって言うと複雑な操作の解消には複雑な処理でもって人間の脳からはブラックボックス化しただけという話だ。

本書のタイトル通り複雑さとは未だ共存しているし根っからシンプルになった訳ではない。逆に、年々成熟しつつある世界において複雑さが生きる意味を与えると言うか、早死にの緩衝材にもなっているのかなあなんて。どういうことかというと、プロフェッショナルと呼ばれている人のニーズというのはそれ以外の人が無知であるという事にあるからだ。自分がわかってる事にわざわざ金払うなんてアホらしいからね、スマホにはより高精細なカメラやCPUがついてないと買い替えないでしょ。

物理の記述が理解出来ないように、ミッションの機構が曖昧なように、知ってる部分と知らない部分で補間しあって人間の社会は成り立っている。全部シンプルで全部効率的に事が運ぶととっくの昔に絶滅してただろう。あの、大航海時代に島に羊放しておいた件と同じ。

草食という言葉の出現も、ともすれば女子側のメンズに対する「単純」というレッテルの崩壊、つまり複雑化によるものかもしれない。まあ、現実的には肉食獣のグルメ化という表現が正しい気もするけど(笑)

ちなみに砂漠をかけるポルシェは作りがシンプルだからこうなるっていう
Powered by Blogger.