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錯覚もまた錯覚

錯覚の科学
錯覚の科学
posted with amazlet at 11.03.09
クリストファー・チャブリス ダニエル・シモンズ 成毛 真(解説)
文藝春秋
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序盤三分の一は数年前にテレビで見たことのあるネタだったのでほぼ読み飛ばした。

興味を引きはじめたのはブッシュの911(ポルシェじゃない)の錯覚からだ。彼がなぜテロを知ってたなんていう都市伝説を作られるようになったのか、それは錯覚の所為だと。



その実、彼は二機目の激突ビデオを事前に見て、それが一機目の激突だと自信を持って記憶していたことにその原因があると言うわけである。一機目の激突を知っていたらどうやって知り得たのか。それは事前にテロを知っていたに違いに無い、そんな疑いはかけられても仕方が無いだろう。

人の想像とは実に錯覚を起こしやすい。

また、医者が参考書を見るのはあまり好ましくないと思う人がいるそうだ。それは最近の京大をはじめとしたカンニングのくだりにも現れている。今や自信を持った記憶自慢なんてそれほど役にも立たないし、検索で事足りる場合も少なくない。むしろ不確実なものを確実にするには検索が有効なのも事実だ。かつての高校の地理の先生はそれを見越してか、授業中は「いかにして資料を上手く引けるかが大事だ」と言っていた。そう、もうそういう時勢なのである。

本書によればちゃんと参考書をみて処方箋を出す医者より自信のある医者を優秀だと判断する人が圧倒的らしい。これは何となく分からんでもないが、同時に自信とは浅学のうちに起こりやすいとも言及している。

本人が納得してるもんでそれはそれで良いとは思うのだけど、俺なら自信とかそんなんより実利が欲しい。基本的に感情は理屈より優先されるので自信ある姿は小気味よいだろう、そうやってずっと表面にだまされているのも良いだろう。寝てる時に朝目覚めないことを考えぬように、その夢の中で溺れていればいい。

しかし、おれはこのところ、夢の記憶が余りにはっきりしていて妙な気分だ。枕の向きを反対にしたのがよくなかったのかなあ。

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